何をしても楽しくない状態が長く続くなら、性格や努力不足として片づけないでください。以前は大切だった音楽、食事、人との時間から喜びを感じにくくなる変化には、アンヘドニアという名前があります。一つの症状だけで病気は診断できませんが、生活への影響は専門家へ相談する理由になります。自殺を考えている、自分を傷つけそうだと感じる場合は、今すぐ119へ連絡してください。
アンヘドニアとは何か
アンヘドニアは、以前なら楽しめたことから喜びを感じにくくなる症状です。単に悲しい気分とは少し違います。好きな曲を聴いても心が動かない、人と会うと疲れる、好物を食べても味以上の満足がない、といった形で現れます。
うつ病の主な症状の一つですが、ほかの健康上の問題や、長く続くストレス、強い疲労でも起こります。自分で病名を決める材料にはなりません。まず、いつから何が変わったかを確かめてください。
バーンアウトや一時的な疲れと迷うこともあります。休みを取った後に気力や関心が少し戻るなら、疲労の影響が考えられます。数日休んでも何も変わらず、楽しさが戻らないことは、相談時に伝えたい情報です。
一緒に現れる変化
喜びの低下に次の変化が重なる場合は、専門家への相談を考えてください。
- 気分の落ち込みや強いいら立ち
- 人との連絡を避け、会う予定を断る
- 気力や行動を始める力の低下
- 睡眠や食欲の変化
- 集中しにくい状態
- 強い罪悪感や無力感
- 仕事、勉強、身支度、家事の放置
症状が一日の大部分で、ほぼ毎日、少なくとも2週間続くことは大切な目安です。ただし、期間だけで診断はできません。出勤や家事を続けられていても、そのために力をすべて消耗しているなら支援が必要な場合があります。
短い落ち込みとの違い
一時的な気分の落ち込みには、失敗、対立、別れ、忙しさなど、始まりとなる出来事が見つかることがあります。数日後に状況が変わると、少し興味が戻り、何かへ集中できる時間も出てきます。
最後に心から何かへ夢中になった時期を思い出してください。何か月も前まで戻らないと思い当たらないなら、単に調子の悪い一週間とは考えにくくなります。休息だけで解決すると決めず、経過を記録してください。
長く続く状態は、急に始まるとは限りません。最初に趣味をやめ、次に人と会わなくなり、その後で仕事や家事が難しくなることがあります。振り返っても楽しい時間が思い出せないという事実も、相談に値する具体例です。
最初にできること
短期間で軽い落ち込みなら、起床時間、食事、睡眠、軽い運動、人との連絡を小さく整えてみてください。気力が出るまで待つ必要はありません。短い行動の後に、気分がわずかに動く場合があります。
以前は意味があった活動を一つ選び、時刻を決めます。すぐに楽しくなることを目標にせず、何度か行った後で変化があるかを見ます。一晩で元の熱意を取り戻そうとすると、できなかった感覚だけが残りやすくなります。
この方法にも限界があります。予定した行動が毎回失敗感につながる、始めることさえ難しい場合、課題を増やすと負担が強くなります。それは意志が弱い証拠ではなく、外からの助けが必要だと伝える材料です。
気分と行動を紙に記録したり、HelpClinicの気分記録や短いセルフケアを利用したりできます。変化を見つける補助にはなりますが、カウンセリングや医療的な評価の代わりにはなりません。
自分だけでは足りないとき
状態が続く、悪化する、日常生活を妨げる場合は、医師、心理職、カウンセラー、精神科医へ相談してください。必要な支援は、症状の強さ、体の状態、生活環境を確認しながら決めます。
相談時には、始まった時期、楽しめなくなった活動、睡眠と食欲の変化、普段の一週間でまだできることを伝えてください。気持ちを上手に説明する必要はありません。最近断った予定や、できなくなった家事など、一つの例から話せます。
喜びの低下は体の病気や服用中の薬の影響でも起こります。長く続いている場合は、心理面だけに原因を決めず、医師にも相談してください。
自殺を考えている、自分を傷つけるかもしれないと感じる場合は119へ連絡するか救急外来へ向かってください。判断に迷うときは#7119、こころの健康相談統一ダイヤル0570-064-556、よりそいホットライン0120-279-338にも相談できます。
よくある質問
アンヘドニアとは何ですか?
アンヘドニアは、以前なら楽しめたことから喜びを感じにくくなる症状です。うつ病で見られることがありますが、長いストレスや疲労、ほかの健康上の問題でも生じます。この症状だけで病気を診断することはできないため、続く場合は専門家の評価を受けてください。
気分の落ち込みはいつ心配すべきですか?
一日の大部分で気分の落ち込みや楽しさの低下が続き、睡眠、食欲、気力、人との関わり、仕事などにも変化が出たら相談を考えてください。外では普段どおりに見える人も支援を必要とする場合があります。自殺を考えているときは119へ連絡してください。
喜びを感じない状態は自分で対処できますか?
短期間で軽い状態なら、睡眠、食事、外出、人との連絡を小さく整えることで変化が出る場合があります。ただし、気力を待たずに行動しても改善しないことはあります。状態が続く、悪化する、生活が難しくなる場合は、努力を増やすより専門家へ相談してください。
出典
- Depressive disorder (depression) (fact sheet)World Health Organization
- Depression in adultsNHS